複数のお客様から『しめ縄』に関するご質問をいただいた際に、
当店からお答えさせていただいた内容を、今日はご紹介させていただきたいと思います。
ご質問の内容としましては、
Q. 伊勢では、本当に一年間飾っているのですか?
Q. 木札(守り札)の意味は?
といったご質問が一番多いようでしたので、以下、ご参考までにご覧いただければ幸いです。
こちら伊勢に来られたお客様で、驚かれることのひとつとして、この玄関口のしめ縄が、挙げられます。
何らかのご理由で、お飾りされないご家庭を除いて(喪中や、住宅事情、信仰など)、
どの家の軒先にも、一年を通してお飾りし、年末に新しいものと取り替え、新年を迎えるというものです。
全国からご注文いただく、当店のお客様方のあいだでも、
伊勢の風習のまま、一年中お飾りされる方もみえますし、各地方の風習にならって一定期間のお飾りとされる方など、
お飾りされる期間は、それぞれのご判断で結構でございます。
お飾りを終えたしめ縄は、各地域の左義長(どんど焼き)などで、お焚き上げするというのが一般的です。
しめ縄の守り札(木札、護符)についてですが、
当店では、どのご家庭、事務所でも、おつかいいただける三種類をご用意しております。
『笑門』
伊勢で一番多く見かける護符が、この『笑門』です。「笑う門には福来る」というのが一般的ですが、
他の説として「蘇民将来子孫家門」を略した『将門』としていたものを、「平将門(たいらのまさかど)」と、
紛らわしいことから、笑門としたとする説もございます。
『千客萬来』
こちらは、読んで字の如くですが、ご商売をなされる方はもちろん、ご商売のお客様に限らず、
沢山のお客様を迎えられる賑やかなご家庭を、ということでも一般のご家庭でもご使用いただいております。
「商売繁盛」という護符もあるようですが、いかにも商売人向けといったもので、当店では扱っておりません。
お伊勢参りに来ていただく伊勢の文化として、より馴染みが深いということで『千客萬来』をご用意いたしております。
『蘇民将来子孫家門』
近年、大変人気のある『蘇民将来子孫家門』は、神話にもとづいたものですので、表現や、解釈の仕方など、
諸説ございますが、より一般的な内容で、かんたんにまとめてみました。少々長くなってしまいますが、
お時間のある時にでも、ご覧いただければと思います。
『蘇民将来子孫家門』の由来
昔、伊勢の地を旅した須佐之男命(スサノオノミコト)が、夕暮れに泊まるところがなく困りはてていました。
そこには、将来兄弟という二人が住んでおり、そこに、一夜の宿を頼むことにしました。
兄弟の弟である、巨旦将来(コタンショウライ)は、大変、裕福で、家や倉などを沢山所有していたので、
こちらに、一宿をお願いにいったところ、これを断られてしまいました。
その兄である、蘇民将来(ソミンショウライ)は、大変貧しい暮らしをしておりましたが、
この頼みを快く引き受け、貧しいながら、出来る限りの粟の飯で、もてなし、一夜を過ごした。
須佐之男命は、これに大変喜び、一宿の恩返しとして、茅の輪(ちのわ)を与えた。
「後の世に疫病あらば、蘇民将来の子孫と云いて、その茅の輪を腰に付けたる者は、難を逃れるであろう」と言い残した。
以来、蘇民家は、後の疫病が流行っても免れ、代々栄えたというものです。
この故事にあやかり、「蘇民将来子孫家門」の護り札をしめ縄に付けて、一年中門口に飾り、
一年を通して、無病息災を願うという慣しとして今に受け継がれております。
以上、よりわかりやすく簡潔にまとめてみました。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。
あとは、お客様のお好みで選んでいただければ、宜しいかと存じます。
ひきつづき『お伊勢さんのしめ縄』を、ご検討いただきますと幸いでございます。