天の岩戸 後編
『天の岩戸 前編』 つづき
想いのこもった歌のあと、いよいよ神話劇がはじまります。
劇の配役は、立候補で、重なった場合はくじ引きで決めたということでした。
主要な役としては、女の子の主役はもちろん、アマテラスオオミカミ様。
男の子は、スサノオとして出番は多いけれど、悪事をはたらく憎まれ役。
うちの子は、後に登場するタヂカラオに手を挙げ、くじ引きで負け、
アマテラス様の首飾りの珠から生まれたとされる、男の五神と進行役になったそうです。
劇の要約は、こんな感じです。
スサノオノミコトの悪行をみかねたアマテラス様が、これを諭すも変わる気配がない。
これに見かね、悲しんだアマテラスは、とうとう岩屋に隠れてしまいました。
それにより、世は闇に包まれてしまう。
何とかして、アマテラス様をここから出さねばと、八百万の神々が相談し、
鶏を鳴かせ、アメノウズメノミコトの舞とともに、踊り騒いで気を引こうとする。
すると、この騒ぎは何事かと、岩屋の隙間から少し顔を覗かせたアマテラス。
ここで、ようやく長男のセリフのある出番がやってきました。
「さかきのきに、かざったかがみに、アマテラスオオミカミさまをうつしておみせしました。
アマテラスオオミカミさまは、ふしぎにおもい、からだをのりだしました。 そのとき!」
この機を見計らった力持ちのタヂカラオが、岩戸を塞ぐ大きな岩をのけ、
アマテラス様を外へ出し、世は以前と同様に明るい世界となりました。
そして、この岩戸に二度とひきこもることがないようにと、張りめぐらせた縄が、
しめ縄の起源だといわれております。
ここで劇が終わり、皆が整列し、雅楽の音色が聞こえてきました。
あ、この曲!
藤井フミヤさん作詞作曲、神宮 式年遷宮奉賛曲『鎮守の里』です。
(ご参考ページ >> 『鎮守の里』)
ご本人が、伊勢に来られ作曲されたという、素晴らしい曲です。
昔からあった曲のような、日本の原風景を見ているような叙情的な曲にも癒され、
ふと隣の家内をみると、涙を浮かべていました。
感動的な、歌・劇・歌 の三部構成に、会場内も拍手喝采。
幼稚園内のおゆうぎ会としてだけでなく、客観的にみても、
隣接する「せんぐう館」などで、一般公開できるくらいのレベルでした。
うちの子も最終的にはほぼ全員分のセリフを覚えておりましたので、
何度も何度も練習をかさねたことがうかがえます。
ご指導いただいた先生方への感謝とともに、子供達の潜在能力に感服いたしました。
みんなよくがんばったね。感動をありがとう。
おじさんも、必至で涙をこらえました。